8月の最後の日曜日に、③三人で久しぶりに集合してフルーツパーラーのような場所に出かけた。
末広町ほど近くのその店は、サンドイッチとフルーツの盛り合わせとパフェと飲みもののセットで1500円ほどというリーズナブルなお値段の店だった。一人はそのセットを食べて、あとの二人は夏の暑さにやられて桃のパフェとブドウのパフェを食べた。
果物を食べるたびに江國香織のエッセイを思い出す。
作家の口福 作家が食べ物について語ったエッセイのオムニバスの中に収録されていた贅沢な骨というタイトルのエッセイだったと思う。
曰く、果物が好きな江國さんは自分について、とびきり良い果物をたくさん食べているので、もし自分が死んだときにみんなが自分の骨を見てなんて良い骨なんだと感動するに違いないというような内容だったと思う。(結構忘れてるな)
だから私も果物を食べると良い骨になっている心地がするので果物を食べるのが好きだ。
単純においしいし。
サークルメンバーである大石と黒羽とも「なぜか果物は罪悪感がない」「でも果糖ってやばいらしいよ、吸収されやすいらしいし」とか話しながら炎天下の秋葉原を歩いた。
特に予定も決めずに集合したのだけど、最近大石と私はDVDを持ち寄ってカラオケで観賞会をするという遊びにハマっているので、それを3人でやることにした。
この日はDVDはもっていなかったんだけどTSUTAYAに行けば借りれる。都会は素晴らしい。しかし旧作320円でした。都会よ。
常日頃見ている物の嗜好がばらばらなのでなかなか決まらなかったのだけど、モアナを見ることにした。
私は曲しかしらなくて、予告も何度か見たはずだけどどんな話かつかめずにいた。
なんとなく「良い話」なんじゃないかというので敬遠していた。
悲劇的なことがあっても立ち向かって頑張る主人公、みたいな話とか花嫁が死ぬ映画が私は苦手なので。
カラオケはどこもかしこもいっぱいでたくさん電話をかけてようやく空いてるところを見つけて入った。その間も最近読んだ本の話とか、最近ハマっているものの話をした。
今度の文フリではアンドロイドをやりたいなと思っているので、参考図書参考映画などにアンドロイドものを意識している。
彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ) 森 博嗣 黒羽はこのシリーズを読んでるらしく、プレゼンが上手なので、大石も私も読みたくなってしまった。(帰りにTSUTAYAによって探したけど売っていなかった)
ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) 石黒 浩 私はこの本を買った。まだ読んでない。
モアナは面白かった。スナックを食べてドリンクバーのジュースを飲みながらたまに感想を言い合って三人で映画を見るのはすごく楽しかった。
モアナは全然花嫁が死ぬ映画じゃなくって、アクションだった。
一生懸命知恵をつかって努力して成長して、自分の島に平和をもたらすために、自分のなりたい自分になるためにモアナが頑張る話だった。
「なんで全部自分でやるヒロインにしたのになんでもできるお助け男みたいなキャラクター出て来ちゃうんだろ」
「師匠キャラだと思えばいいんじゃない?」
大石と黒羽が話している内容も楽しかった。
なんか、ここ最近私はすっかり疲れて病んでいた。
オタク活動で二次創作の同人誌を作っているんだけど、その、なんというかマウントの取り合いみたいなのに正直本当にうんざりしてたのだ。
私が一番センスある、あいつはセンスない、あんな二次創作するなんて私生活がしんどいにちがいない。などなど。
そういう言葉をけっこう聞く。
自分が直接言われたわけでもないのに正直死ぬほど傷つく。
おしゃれで美人のオタクのみなさんには申し訳ないけど、私にとってオタク活動もフィクションも正直現実の逃げ場だ。
美人でお洒落で仕事ができてコンプレックスが一切なかったら絶対にオタクをやっていない。
毎日おしゃれな場所に出かけて、おしゃれな食べ物とか飲み物とかと自分の写真をInstagramに上げると思う。
バカにしてるんじゃなくて、本当はそういうことをしたいんだけど、自分のことが全然好きじゃないから、自分が登場する遊びを楽しめないのだ。
その点フィクションは良い。
自分がいなくても楽しめる。
成立する。
二次創作をすることも、別に自分の主張はない。自分の欲望みたいなのは出るかもしれないけど、そこに自分はいない。
おしゃれじゃなくてもいいし、美人じゃなくてもいい。
気を遣わなくってもいい。
それが創作だと思う。
まして、プロでもない。同人誌だ。
なのに、なんか書いてはどういう日常生活を送っているのかと想像されたり、下手だと陰口叩かれたりレベルが低いとかそのカップリングでやる意味ないとか。
え?何やってもよくないか?いいでしょ別に。
推しのえっちなところ見たいからえっちな絵を書いたり、
どうしてもそのシチュエーションに推しを落とし込みたいとか、
そういう欲望に忠実にパロディ書いてもいいでしょう。
なんの権限があっててめえは人の創作にいちゃもんをつけるんだ。
というようなことで私はとっても疲れていた。
創作活動において制約されながらやるのは無意味だ。
で、もうすっかり何をする気も起きなくて、好きでやっていることなのに、やろうとすると悲しくなったり腹が立ったりするという世界一わからないジレンマに苦しんでいた。
……んですけどね、③の三人で会って映画見たり本の話してたら元気になった。
もうすぐ一緒に本を作るようになって10年くらいなんだけど、少なくともこの子たちは私が作ろうとしたものとか他人の作ったものにむやみにノーを言わないし、基本的にはイエスの姿勢だなと思ったら、前向きになってきた。
否定されて疲れたときは、肯定的な旧知の友達と遊ぶのが一番だなと思いました。
11月、頑張るぞ。
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