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それぞれの好きなもの、三人の書評
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11月文フリ出ます

8月の最後の日曜日に、③三人で久しぶりに集合してフルーツパーラーのような場所に出かけた。
 末広町ほど近くのその店は、サンドイッチとフルーツの盛り合わせとパフェと飲みもののセットで1500円ほどというリーズナブルなお値段の店だった。一人はそのセットを食べて、あとの二人は夏の暑さにやられて桃のパフェとブドウのパフェを食べた。
 果物を食べるたびに江國香織のエッセイを思い出す。

 作家の口福
 作家が食べ物について語ったエッセイのオムニバスの中に収録されていた贅沢な骨というタイトルのエッセイだったと思う。
 曰く、果物が好きな江國さんは自分について、とびきり良い果物をたくさん食べているので、もし自分が死んだときにみんなが自分の骨を見てなんて良い骨なんだと感動するに違いないというような内容だったと思う。(結構忘れてるな)
 だから私も果物を食べると良い骨になっている心地がするので果物を食べるのが好きだ。
 単純においしいし。
 サークルメンバーである大石と黒羽とも「なぜか果物は罪悪感がない」「でも果糖ってやばいらしいよ、吸収されやすいらしいし」とか話しながら炎天下の秋葉原を歩いた。
 特に予定も決めずに集合したのだけど、最近大石と私はDVDを持ち寄ってカラオケで観賞会をするという遊びにハマっているので、それを3人でやることにした。
 この日はDVDはもっていなかったんだけどTSUTAYAに行けば借りれる。都会は素晴らしい。しかし旧作320円でした。都会よ。
 常日頃見ている物の嗜好がばらばらなのでなかなか決まらなかったのだけど、モアナを見ることにした。
 私は曲しかしらなくて、予告も何度か見たはずだけどどんな話かつかめずにいた。
 なんとなく「良い話」なんじゃないかというので敬遠していた。
 悲劇的なことがあっても立ち向かって頑張る主人公、みたいな話とか花嫁が死ぬ映画が私は苦手なので。
 カラオケはどこもかしこもいっぱいでたくさん電話をかけてようやく空いてるところを見つけて入った。その間も最近読んだ本の話とか、最近ハマっているものの話をした。
 今度の文フリではアンドロイドをやりたいなと思っているので、参考図書参考映画などにアンドロイドものを意識している。

彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ) 森 博嗣
 黒羽はこのシリーズを読んでるらしく、プレゼンが上手なので、大石も私も読みたくなってしまった。(帰りにTSUTAYAによって探したけど売っていなかった)

ロボットとは何か――人の心を映す鏡 (講談社現代新書) 石黒 浩
 私はこの本を買った。まだ読んでない。

 モアナは面白かった。スナックを食べてドリンクバーのジュースを飲みながらたまに感想を言い合って三人で映画を見るのはすごく楽しかった。
 モアナは全然花嫁が死ぬ映画じゃなくって、アクションだった。
 一生懸命知恵をつかって努力して成長して、自分の島に平和をもたらすために、自分のなりたい自分になるためにモアナが頑張る話だった。
「なんで全部自分でやるヒロインにしたのになんでもできるお助け男みたいなキャラクター出て来ちゃうんだろ」
「師匠キャラだと思えばいいんじゃない?」
 大石と黒羽が話している内容も楽しかった。

 なんか、ここ最近私はすっかり疲れて病んでいた。
 オタク活動で二次創作の同人誌を作っているんだけど、その、なんというかマウントの取り合いみたいなのに正直本当にうんざりしてたのだ。
 私が一番センスある、あいつはセンスない、あんな二次創作するなんて私生活がしんどいにちがいない。などなど。
 そういう言葉をけっこう聞く。
 自分が直接言われたわけでもないのに正直死ぬほど傷つく。
 おしゃれで美人のオタクのみなさんには申し訳ないけど、私にとってオタク活動もフィクションも正直現実の逃げ場だ。
 美人でお洒落で仕事ができてコンプレックスが一切なかったら絶対にオタクをやっていない。
 毎日おしゃれな場所に出かけて、おしゃれな食べ物とか飲み物とかと自分の写真をInstagramに上げると思う。
 バカにしてるんじゃなくて、本当はそういうことをしたいんだけど、自分のことが全然好きじゃないから、自分が登場する遊びを楽しめないのだ。
 その点フィクションは良い。
 自分がいなくても楽しめる。
 成立する。
 二次創作をすることも、別に自分の主張はない。自分の欲望みたいなのは出るかもしれないけど、そこに自分はいない。
 おしゃれじゃなくてもいいし、美人じゃなくてもいい。
 気を遣わなくってもいい。
 それが創作だと思う。
 まして、プロでもない。同人誌だ。
 なのに、なんか書いてはどういう日常生活を送っているのかと想像されたり、下手だと陰口叩かれたりレベルが低いとかそのカップリングでやる意味ないとか。
 え?何やってもよくないか?いいでしょ別に。
 推しのえっちなところ見たいからえっちな絵を書いたり、
 どうしてもそのシチュエーションに推しを落とし込みたいとか、
 そういう欲望に忠実にパロディ書いてもいいでしょう。
 なんの権限があっててめえは人の創作にいちゃもんをつけるんだ。
 
 というようなことで私はとっても疲れていた。
 創作活動において制約されながらやるのは無意味だ。
 で、もうすっかり何をする気も起きなくて、好きでやっていることなのに、やろうとすると悲しくなったり腹が立ったりするという世界一わからないジレンマに苦しんでいた。
 ……んですけどね、③の三人で会って映画見たり本の話してたら元気になった。
 もうすぐ一緒に本を作るようになって10年くらいなんだけど、少なくともこの子たちは私が作ろうとしたものとか他人の作ったものにむやみにノーを言わないし、基本的にはイエスの姿勢だなと思ったら、前向きになってきた。
 否定されて疲れたときは、肯定的な旧知の友達と遊ぶのが一番だなと思いました。
 11月、頑張るぞ。
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こっくりさん

という本をつくりました。
こっくりさんにまつわるお話はこんな風に始まります。

*****

 少女たちの声は鈴を転がすようだった。内緒話のさざ波は寄せては返し、またうち寄せた。
「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください。もしおいでになられましたら「はい」へお進みください」
 少女たちは揃いの服を着て、唱和する。その光景はどこか儀式めいていた。
 動いたらどうしようと思っていた。動いたら質問をしなくてはいけない。
 けれど、10円玉を乗せた指はぴくりとも動かない。
 少女はほっとした気持ち半分残念な気持ち半分だった。
 こっくりさんにきいてみたいことはあった。だけど、その答えは知りたいけれど知りたくないことだった。
「なあんだ、やっぱりイカサマなんじゃない」
 少女たちは笑いながらそ の紙をゴミ箱に捨てた。
 学校を出て、彼女たちは何が楽しいのかきゃらきゃらと笑った。
 ブレザーの少女たちの集団は、セーラー服の一人の少女とすれ違う。
 セーラー服の少女は、少女の集団が「こっくりさん」という言葉を口にするのを耳にした。
 こっくりさん、なんだったっけ? そんなことを考えながら彼女が歩いていると目の前に電信柱が現れる。
 電信柱には乱暴に貼り付けられた白い紙があった。
 少女はそれを手に取る。
「○月×日 こっくりさんをやります。参加される者は集合されたし」
 そんな文言と一緒に簡単な地図が添えられていた。
 その紙を見て、少女の頭の中には一人の顔が思い浮かんだ。窓辺でアンニュイな表情を浮かべるあの子に、この紙 を渡してみよう。
 少女は胸を躍らせて家路を急ごうとした。そのとき、風が紙をさらった。
 4つに折られたその紙はすぐに落下して地面を走っていく。セーラー服の少女が紙を追いかけていくと、目の前には犬を連れた少女が現れた。
 犬を連れた少女はその紙を拾い上げるとセーラー服の少女に手渡した。
「はい」
「ありがとうございました、大事な紙なんです」
「それは良かったです」
 犬を連れた少女は微笑んですぐにその場を去っていった。
 セーラー服の少女も今度こそ家路を急いだ。
 こっくりさん、こっくりさん。
 どうぞ、おいでください。
 どこかでそんな声がした。

第二十回文学フリマ レポート【当日】

てなわけで当日です。
→ホテルのロビーに三人で集合して最寄り駅までとことこ歩きます。
→近くのコンビニで値札とかあらすじとか当日必要なものをすりだす。あってよかったセブンイレブン。
→駅のそばにある可愛いの。

→電車で東京流通センターを目指す
→ここで事件発生
→三月が階段でこける。下るときにへんな力が入って膝から下が動かなくなり膝を地面に強打。黒羽がなんとか滑り落ちないように腕を掴んでくれた。
階段の後ろあるいてる女性たちからも「え??」「大丈夫?」と軽く悲鳴が上がる
黒羽のお陰で一命を取り留めた三月ちゃんだったが、大石と黒羽から「ヒールなんかで来るから」とお叱りを受ける。反省。
→そんなこんなありましたが、到着です!
→早速スペース設営

完成!
→今回は斜め向かいが高校からの友人 迷い家の高迫くん@kaidanmayohiga


→声かけて立ち読みをすすめまくる三月
三月「教授萌の人以外と少ない?」
大石「そうなのかな?」
三月「老眼鏡とか、もはや好きな三文字熟語だよ」
大石「私は石田彰」
勝手にもほどがある会話をしててもお腹は空くのです。

最大手サークルことターリー屋さんのカレー!
→もぐもぐ食べている間にも既刊や新刊をかってくださる方がいて歓喜!!
→Twitterやら文フリの度にお世話になっているみどりむし書房のお二人 独蛇夏子さん@natsuheavyと、華音さん@midorinokanonが遊びに来てくださる。いつもありがとうございます。
→さらにはお友達もきてくれました!高校からの友人やら大学の先輩やら別のイベント帰りや、製本を見守ってくれたの大学の友人!
皆様ありがとうございました!

これは先輩からの差し入れ。中国製でどこか顔がおかしいクマのプーさん。
→そんなこんなやっている間に撤収の時間が近づいて昨日からはしゃぎまくった我々は早々に撤退
→東京駅で黒羽見送りがてらだらだらとお茶して解散!
(黒羽がお土産選んでる間ずっとうたプリとお笑いの話をしている三月と大石でした)

*****

さて!次回は!(つってもいつの参加になるか未定ですが)
「こっくりさん」がテーマ!!
ちょっと不思議な系の話に!なる!予定です!
ぜひスペースでお会いしましょう!

第二十回文学フリマ レポート【準備】

文学フリマのレポートです。
準備と当日で、二回に分けてレポート書きたいなあと思っています。
我がサークル③の会議などの一連の流れ。

1/21 企画会議
→③は毎回共通のお題をもうけてそれに沿った小説を三人でかくって感じでやってます。
今ままでの企画
http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=31547522
http://touch.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=35237843


ラインやスカイプで
(みんなばらばらに住んでてあんまり会えないから)
やりたい企画を好き勝手いいあいます。その中でやりやすそうなのをほりさげていきます。
→ゼミものをやりたいねーとなったので、
→三人で教授のャラクターだけ設定して相手役は自分で好きに決めてやろう
→日本文学科の教授という設定だから、日本文学の作品をエッセンスとしていれよう
→ということで今回の企画が決まりました。
→最後に教授のキャラ設定となんとなくの締め切りを設定してこの日の会議終了ー

★3月
→みんなが締め切りを破り続ける

★4月
→タイトルを決めたり表紙があがってきたりしてテンションがあがるがなかなか原稿が集まらない

★5/3(前日)
→明け方近くやっと原稿があつまる
→黒羽が東京にやってくる
→三月:編集が始まる(段組したり、目次のデザイン考えたりページ調整したり)
→黒羽と大石:新宿で合流して表紙を先に印刷してくれる
→三人+友人と合流してお茶する
→セブンで本文を印刷しまくる 
→友人と別れて羽田空港そばのホテルに向かう 

*****

道中の電車で向かいに人が座ってなかったんだけど椅子になにかのっかってる
大石「なんだろ? お金?」
黒羽「シュシュじゃない?」
三月「指サックじゃない?」
(三人とも目が悪い)
確認すると500円玉と100円玉一枚ずつだった。
黒羽「600円」
羽田空港なんたら駅について駅員さんに600円渡す

*****

→羽田空港に到着!
外国人が喜びそうな日本だ!私の好きなやつ!とテンションがあがりまくる


→夕ご飯終えてバスを乗り継いでホテルに到着

*****

黒羽にチェックインを任せてぼおっとホテルのロビーにあるソファの前で佇む大石と三月。
ふとソファを見ると、何か乗っかっている。

大石「……嘘でしょう?」
三月「……いや、嘘だよ嘘」
なんと、そこには500円硬貨が!!
大石三月「「くろはーーーー」」
興奮して黒羽を呼びに行く。
拾ってみるとそれは硬貨が重なり合っていたが610円だった。
大石「こわい」
三月「次は615円で次は616円見つかる」
大石「こわい」(しきりに怖がる)
三月「ああ、テンションあがる!恩田陸の黒と茶の幻想みたい!」
大石「なにそれ」
三月「読んでないの?」
などと好き勝手話し合ってる間に部屋に到着。
(新刊のテーマをこれにしたい!って言ったら拒否された)

*****

→大石の部屋に集合して製本開始
→製本の道具やらを部屋に取りに戻ったらいきなりネコ耳がついたヘアバンドをもらう
→大石「誕生日プレゼントだから」
→三人でネコ耳つけながら製本(文化祭ノリ)

本が完成!!


撮影会したりひとしきり終わったら各自部屋に戻る。
いよいよ明日は文学フリマだ!!

「生きてるだけで、愛」

お久しぶりです。③主宰 三月はじめ です。12月24日、聖なる夜なんてくそくらえとばかりに女3人で読書会をしてみました。
 もちろんネタバレ(ってそういう系の話じゃないんですけど)ありなので、気になる方は避けてくださいませ。

 今回のテーマは本谷有希子著「生きてるだけで、愛」です。

     

あらすじ:あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ。25歳の寧子は、津奈木と同棲して三年になる。鬱から来る過眠症で引きこもり気味の生活に割り込んできたのは、津奈木の元恋人。その女は寧子を追い出すため、執拗に自立を迫るが……。誰かに分かってほしい、そんな願いが届きにくい時代の、新しい“愛" の姿。芥川賞候補の表題作の他、その前日譚である短編「あの明け方の」を収録。

>とりあえずは3人の感想から。と行きたかったのですが黒羽のパソコンが不調でとりあえず三月と大石で始めます。

大石: とりあえず感想言ってみよう?
三月: 大学四年生の頃に読んだんだけど、就活きまらないのが辛すぎて「就職できなかったら死ななきゃなのかな」って追いつめられてたときにとりあえずこのタイトル読んで「よし、死ぬことない。生きてるだけでオッケー」みたいに思い込んだ気がする。
内容の感想としては、ラストがめっちゃ格好いいし、本谷さんの比喩?の表現とか全部しっくりくるなあと思った。
大石: 私も最初読んだときなんか救われるなと想ったけど。読み返したら何このクズって思いました
三月: いや、クズだよ。
大石: ラストはいいよね
三月: あと、自分のことを特別だって思い込みたいんだろうなっていうのがあって。やっぱり自意識過剰な女かかせたらぴか一ですよね
大石: うんうん。 綿矢りさの「ひらいて」でさ、これも自意識過剰な女子高生が主人公で片思いしてる地味目の男子を放課後の教室に呼び出して全裸で待ってるんだけど
「あー俺お前みたいな変態に好かれるんだよね迷惑」って感じに振られてさ。
本谷さんはこれすっっっごくロマンチックで理想的ではじめ読んだときは感動したけど今はなんか、なんかなーという感じww
ごめん言いたいことまとまらない
三月: 本谷さんは、ロマンチックだし、女性の幻想が守られる感じの話だよなあと思う。


三月: エアコンの比喩がすごい好きなのよね

 リモコンを使って三十度まで室温を上げた途端、機械が息をつまらせたみたいに送風をとめ、シュゴーとおかしな音を吹きだして死んだ、どういう仕組みなのかエアコンというものは高すぎる温度を要求すると、止まることになっているらしい。仕方がないので設定を二十七度まで落して、ベッドに潜り込む。風量を「弱」にしたらようやくそろそろと息を吹き返し始めた。

 今のやりとりをなんとも思っていないんだろう、心ここにあらずというその表情はさっき三十度を求めて止まってしまったエアコンを思い出させる。あたしに関する設定を「二十七度/弱」にして、ようやく対応している津奈木。でもそれじゃあ、あと三度足りないんだってことがこの馬鹿にはどうしても伝わらない。


大石: 把握。津奈木は優秀なんだよね、人として
三月: 確かに。
大石: 奇抜なことをするんだけど読んでて羞恥心は感じないよね。羞恥心があれば、見たいな文あったよね。※あの明け方のの方だ
(文庫同時収録「あの明け方の」のこと。)

 23歳にして親にいくらかの借金があることをたとえばもっと恥ずかしいとおもっていれば働く意欲が湧くんだろうか。でも、あたしは、30歳になってもお年玉をもらいたい

三月: 主人公が津奈木と喧嘩して別れた男と電話する話か。
大石:別れた男とのほうが気があってそうだよねw
三月: たぶん別れた男は、ちゃんと30度で返すんだと思うんだけど、そうこうしてるうちに止まるから長続きしないのかな?
大石: 前の男は寧子と似てるよね? へんてこな夢の話してきたり、「あれだったらよりもどす?」っていうぐずぐずな感じが
三月: たしかに似てる。同じくらい思考がぶっとんでる。そもそも津奈木とはジャンルが違うんだよねー
大石: 津奈木がすぐごめんって言うの好き
三月: いいね。
大石: で、なにがごめんなの?!って怒っちゃうの
三月: 寧子はとにかく全力でコミュニケーションとりたいんだよね。
大石:※ 寂しいから鬱になるってオーナーの母ちゃんに言われるじゃん
(※主人公の寧子がバイトするアットホームなバイト先の人にそんなことを言われます)
あれ的はずれなようでどんぴしゃじゃないのって思うんだけど
三月: たぶんそうなんだよね。
大石: でもさ、だからってアットホームな食卓囲んでも晴らされないんだよね
三月: そうなんだよね。あ、あとお母さんが鬱だってのが出てくるじゃない。 あれが、もうお母さんは直っててみたいな描写みると、
大石: 泣いちゃう?
三月: 娘が出てったからなのか時が過ぎて大人に成ったからなのか。寧子もおばさんになれば治るのか。はたまた何か原因があるのか。と考えて、うーんうーんってなる
大石: お母さん治ってないよ
大石: たまに実家に帰ったときだけ普通そうにしてるけどやっぱり雨の日は寝てるんだよ
三月: ああ、そっか。ラストで言ってるね。
大石: 53pの終わり辺りでも言ってる
大石: 寧子の頭狂ってる感じがさ、ツイッたで一時話題になった慶應の自殺した女の子そっくりでさ。すごいなーと思っただけなんだけど
黒羽: 黒羽復帰したすまん。: 今度こそ大丈夫だ。ログも読んだ


>「生きてるだけで、愛」の表紙にもなっている葛飾北斎の富嶽三十六景の一つ神奈川沖浪裏がこの作品のキーワードだ。そのあたりにも言及していく。


大石: 人と繋がった瞬間って北斎みたいに絵にできないから、 あってもそのうち記憶も薄れちゃってほんとにあったかなって不安になるのかなそれで、手ごたえがほしい
三月: ああ、それで、過激な行動をとるのか。一緒にはしってくれたから付き合ったっていうのがさ、すごい泣けるんだよね。
大石: なんで奇抜なことすんのかな
黒羽: すごい二人の会話読んでてあああってなってる。
大石: そう、結局さびしいからなのかな。津奈木もさ※マルイのカードが作れないって泣いて怒ってたから好きって(※パルコです)意味わかんないけどいいよね
三月: 寧子は自分といるのがすごい疲れるから、相手にもこの自分と一緒にいるつかれを味わってほしいし、北斎が富士山を分かろうとしたから富士山も格好いい波のタイミング見せたみたいに言うじゃん。だから、寧子も理解されたいから自分の最高に格好いいと思えることをやってみせるのかなあ。
大石: あああ
三月: 寧子は戦うんだけど、津奈木は逃げるじゃない。だから戦う寧子が格好いいと思うんだと思うけど。
大石: 毛をそったらありのままの~自分見せるのよ、っていう?美人設定だしね
三月: そうそう。なんか、これ、本来の私で、いま最高にクールなんだとおもう!!みたいな。
黒羽: それで全裸なのか

>ラストシーン美しいよねって話

大石: なんだかんだ美しく終わるから不思議。それまでのゲロとか奇行とか帳消しにするよね
三月: サブカル界隈の演劇の人すぐゲロとか吐かせるんだけどそれを帳消しにする美しい台詞とかでもってくから謎なんだよな。
大石: 美しさが際立つのかな。ほら悲しい場面では明るい音楽を、戦闘シーンではクラシックをって言う法則
三月: なるほどな。対比だな。
大石: 緑のゲロ吐くくらいじゃないと全裸になっても美しくないんだよきっと!
三月: 普通の話になっちゃうもんな。
大石: そういう変態いるわーってなっちゃうんだよ
三月: 暴力的でいいよね、やっぱ。
大石: 底を下げまくってんだよね、女の
大石: 最後のシーンはほんとめちゃめちゃ美しいよねえ

>寧子のバイト先「アットホームな職場」について考える。

三月: ああいうアットホームな雰囲気ってなんで虚しくなるんだろうね。
大石: あ、逆にね。なぜか嘘くさいんだよね
三月: でもたぶん皆本当に優しいんだよね。自分が善人じゃないからかなあ。
大石: ほんとに善意ある人達なんだよね。別に寧子も疑ってないのにね
大石: なんでかなー
黒羽: 作者がアットホームなものを信じてないんだと思ってる
大石: 信じてないっていうか自分の物じゃないと思ってると思ってる
三月: 前にさあ就活してたときに、おじさんの紹介で投資会社?のイベントの手伝いに行った時があってね 。で、みんなすごい良い人なのね。
 その投資会社も、投資先を、「いい会社」を基準に選んでて。業態がクリーンで、かつ社会的に意義の高いところに投資するのね。たとえば引きこもりの人に新しいゲームのデバック?エラーを見つけさせる会社とか。そういうのに投資する。株主の人もみんな良い人なのね。
 けど私が「仕事なにしてるの?」ってきかれて「フリーターです」って言ったら全員凍ったのね。
大石: え?え?なんで
三月: だから、そういう人達にとってフリーターはあっち側の人で。
大石: あっ……
三月: こっち側にはいないと思ってるんだよ。
大石: ええ~
三月: だから、あのバイト先の人も、自分達と同じ人種しかいないと思ってるのかなあって。理解の範疇を越えるもの、がいないと思ってるのかなあって思ったのね。で、自分の理解できる「さびしいから鬱になる」とかに当てはめられちゃって寧子は虚しいのかなあとなんとなく思って。
黒羽: お互いに違うところにいるって無意識に思ってるから、断絶してるのか
三月: そういうイメージ。
大石: いや、彼らは誰かと誰かが断絶してるとか思ってないんだよ
三月: ああ、そうか。思ってるのは寧子か。
黒羽: そう。
大石: そんな風に感じてる人がいることも分からないのでは、と。寂しい程度なんだよ
三月: そんなに自分の感情を分析しないのかもな。
大石: 自分がわからない、とかもないのかなって
三月: 寧子はこじれてるから「さみしい」とかじゃないのこれは、ぎゃあーーーってなってるけど人からみたら「さみしい」なんだよな。
黒羽: それ
大石: うむ。その点津奈木は分かろうとはしてるのかも?
三月: だから一緒にいたいんだもんね 寧子は。
黒羽: 客観的にみてホントにざっくり言えば「さびしいから鬱になる」のはあたってる
大石: 分かろう、っていうか「自分の理解できる範疇に収めよう」っていう気はないよね。そこがいいなーと思います
三月: ああ、そうそれ。「分からない」って思ってくれるのが、いいんだろうな。
黒羽: ※「本当はちゃんとわかりたかったよ」
(ラストシーンでの津奈木の寧子への台詞です)

>「生きてるだけで、愛」は魔都 東京の話だよね!

大石: 都会って魔界だよね
黒羽: 自信があるんだよねえ。田舎ではそういう人めったにいないんだよね。そういう人が東京に出てくるんだろうけど
大石: 本当に成功してる人もたくさんいるから勘違いしちゃうのでは。同じ土地にいるってだけで
黒羽: 「才能ないよ」って言ってくれる人が少ないんじゃないかなって思う
なんかさ、私田舎に帰って働いててさ
「生きてるだけで、愛」読んでさ、寧子のクズっぷりが東京住んでたときなら共感できたと思うんだけど、今はもうわかんないしわかりたくないって思った
三月: 首都高のそばっていう大都会の話だもんなあ、本谷さんは石川の人なのよね
黒羽: ええ!そうなんだ
大石: 我々はまともに働いてるからな
黒羽: そう。私はもうあのバイト先の人たちの側なんだよ
大石: アットホームな善意の塊?!
黒羽: 善意の塊ではないかもしれん
この小説読んでて「共感できた」自分に対する郷愁がすごい
三月: でも私はやっぱりまだ寧子に共感するよ。
大石: 私も学生のときはまるっと共感できたけど。今はやっぱこのクズがって思うな
黒羽: 寧子みたいになってたかもなって気持ちはあるけどね。なんなくてよかった!とも思う。
大石: 私はならないな絶対。定職につくことをものすごく強要されてたし、自分の価値観でもそれが絶対的な部分あったから
三月: なんか当たり前のことがちゃんと出来ない時の絶望感がすごい身にしみるんだよね。あのときの孤独感みたいなのがすごいみにつまされるよ。あんな面白くはなれないけど。
大石: パルコのカードみたいな?
三月: そうそう。今は仕事もできてるし、毎日働いてるけど何が悲しくなって仕事にいかなくなっちゃうかもしれないし。
大石: 生きてればいいんだよ!
三月: そうだね!!

>大ラスシーンの意味を考える

黒羽: あ、あと津奈木と寧子は別れるの?
三月: 別れるんじゃないかなあ。
大石: えっ
黒羽: 「わかりたかったよ」だもんなあ
三月: 別れないの?
大石: わかれるのか……最後に携帯閉じさせるのはなんで
黒羽: あのあと二人は少しうまくいくような気もするし、もう駄目な気もするんだ
大石: ※もうブレーカー上げなくていいよ→別れる?!?
(二人が暮す家では度々ブレーカーが落ちる。その度に寧子は津奈木に「アンペアをあげるために東京電力に電話しなよ」と言うが、津奈木は取り合わずブレーカーを上げに行くというやり取りが出てくる)
三月: 津奈木がこれ以上疲れないように携帯閉じてあげるんじゃないのかな。と思った。
大石: どういうこと?
別れるために恋愛するわけじゃない
ブレーカー上げるために停電にするわけじゃない
大石: 停電のまま→別れない?あれ?
三月: ああ、そういうことか
大石: 考えすぎ?そして合ってる?
三月: 今後の恋愛の話かと思った。
大石: 今後の話だよ。暗示してるのかなと
三月: ※そんなややこしいことしないよって津奈木言うじゃない。
(※あまりにも津奈木がブレーカーを落として停電にするので寧子が「あんた、ブレーカー上げるために停電にしてるわけじゃないよね」と言う。それを受けての津奈木の返事)
黒羽: うん
大石: そうだね
三月: あれ、「お前とちがって」ってことだとおもって
大石: がーん。なるほど
三月: で、寧子は今後の別の恋愛とかに思いを馳せてと思ったのです。なんか別れちゃってまた別の男とけんかして津奈木に電話したりするのかなあみたいな。でも比喩として解釈すれば大石さんのがいいね。
大石: アンペア上げなよ→停電させないでよ→別れない。いや頭わるくて
黒羽: アンペアあげなよ→携帯開くは、東京電力に電話しようとしたのかな。それでそっと閉じたんだとしたら、アンペアあげなくていいってことだから別れるよね
大石: ちがうよ。ブレーカー上げるためにライト代わりに開いたんでしょ
三月: ああ、そうだ。そうだった。
黒羽: 私もブレーカーあげるためだと思ってたんだけど、今よみかえしてて思いついたの
三月: 私はてっきり表の女から電話来てたんだと思ってた。ああ、ライトの代わりに開く描写がまえあったな
大石: アンペアあげないんじゃないの。津奈木は。なんでか分からんけど
黒羽: アンペアあげなよって言って津奈木が携帯開くのね。そんで扉がメッチャどんどん叩かれるんだよね。そのあと津奈木は「思い出したように」「…電気」って言ってブレーカーあげにいこうとするわけ
大石: 普通にブレーカー上げようとしたんでしょ
黒羽: 「・・・電気」って言って立ち上がって、ブレーカー上げようとしたんだよ
黒羽: でもその前に「東電に電話するだけでええねん」て言われて津奈木が携帯開くんだよ
三月: 東京電力やってないと思うよ
黒羽: やってないけどとりあえず携帯ひらく男なんだよ津奈木は。※手袋いわれるがままにはめたりするじゃん
(そんなシーンがあります)
三月: そういうポーズ取るってことか
大石: ああー
黒羽: で、扉叩くの激しくなって、二人は息をひそめるの
大石: なるほどー。ポーズかもー
黒羽: 寧子は「やり直せそうな気がする。往生際わるっ」って思う
黒羽: で津奈木が立ち上がるんだけど、寧子は携帯とじる。 別れるんだなあ
三月: たぶん寧子の言うわざと停電にしてるってのは、津奈木なら寧子が上げれないブレーカーをすぐに戻せるからそれを褒めてほしくてやってんの?っていいたいんだよね
大石: うん、津奈木がさ、自分の価値を寧子に見せつけてるのかなと
三月: でも津奈木はそんなつもりはないんだよね。
大石: うんうん
三月: これって私はいったいなんのためにこんなことやってんだーみたいな人生の問にたいする答えなのかなあと思って。なんのために、とかじゃなくって、ただ生きてるだけで愛なんだっていう。
黒羽: 津奈木はブレーカーおちちゃう男だよね
大石: 27度までしか上がらないエアコンだからね
黒羽: そんなややこしいことしたらブレーカーおちちゃう。でもそのブレーカーをあげるのは津奈木
大石: アンペア上げればいいのに、そこは上げないんだよね
黒羽: そこまでしたらブレーカーおちるんだよw
三月: アンペアを上げる手間を惜しむんだよね。津奈木は。楽をするから。その場しのぎにブレーカーを上げる。
黒羽: 東電に電話するポーズをみせてくれたから、寧子は「やりなおせそう」って思ったんだな
三月: そこじゃなくって息をひそめてるときの一体感かなって思ったんだけど。
黒羽: 一体感もあるよ
大石: 根本的な話をする寧子とその場しのぎでやりすごす津奈木っていうかみ合わなさと。三月: そうだね、寧子はいつも根本的な話してるから疲れるんだよな。
大石: うんうん。ずっとみてる海外ドラマで変わり者の女の子が医者でかつクリスチャンなんだけど恋人と今けんかしててさ男は仮のはなしをするのはやめないかって言うんだけどいつもその子にとっては自分と神との根本的な話なのね。 男は受け止めてる風だけど、私のことを無視してる!って女のこは怒るのよ
三月: 分かり合えない感はんぱないな
大石: うむ
大石: また全然はなしずれるけど
三月: なんか女の人の感情の量とかに面食らうっていうかたじろぐ男みたいな描写ってあるよね。
大石: 古今東西だよね
黒羽: 日常だわね


 またなんやかや男って女ってみたいな話になったところでお開きでした。
「生きてるだけで、愛」個人的にも大大大好きな話なので是非読んでみてください。
 五千分の一秒、泣けますよ。


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